第3回グリーンイメージ国際環境映像祭グランプリ作品

「グリーンイメージ大賞」受賞!!

 

 

映画『新地町の漁師たち』について

 

 

 

■ ディレクターズノート(監督:山田 徹)

 311直後に福島県新地町を訪れた私は、津波の被災だけではなく原発事故による放射性物質の海洋汚染によって福島県の漁業が絶望的状況下にあることを知りました。自分たちを育んできた海、生業としてきた漁業の歴史を一度に奪われた人々は、これからこの地でどう生きていくのか。海はもう再生不可能なのか。私は新地町の漁師たちの行く末を記録しようとカメラを回し始めました。

 2016年2月現在、福島の漁業は原発事故以降から継続してきたモニタリング調査の結果、安全と判断された72種の魚介類を対象とした試験操業ができる状態まで回復しました。汚染は浄化しつつあり、漁師たちはいつでも本格操業ができるのです。しかし、原発は収束しておらず風評被害の問題もあることから、福島の漁業は未だ復興できない状況にあります。

 原発収束や汚染実態の継続的なモニタリング調査は漁業の復興上とても大事なことです。しかし、復興を考える上で重要な問題は「フクシマ」という記号から抱くイメージから私たち自身が現実の「福島」の漁業者の復興を妨げていることにあります。無意識の自虐行為による傷から私たちは「復興」しなければなりません。福島の漁業者が自立した人間として本操業を行えること、そして福島が抱える多くの問題を考える一つのきっかけとして、この映画を被災地内外の場を超える多くの方々に観ていただきたく思います。

 

 上映運動を広げるため皆様のお力添えをいただきたく宜しくお願い申し上げます。

 

 

■ ストーリー

 福島県新地町の漁師たちを2011年6月から2014年11月3日の安波祭までの3年半の期間撮影した記録映画。

 東日本大震災による津波と原発事故によって福島県の漁師たちは生業としてきた漁業の自粛を余儀なくされた。操業の目処がたたない中、海での漁業権を持つ漁師たちと東京電力との間で増え続ける汚染水対策の一つである「地下水バイパス計画」の説明会が始まった。計画を容認するか否かの意見が同じ漁業者間でも分かれる中、いかに合意形成を図るかが問題となっていた。

 津波と原発事故がもたらした未曾有の大災害は、浜の生活を一変させただけでなく、人間関係の軋轢を生み出し、さらには漁業が震災前から抱えていた問題を大きく露呈させた。

 単純な復興とはいかない環境下で漁師たちは何に苦しみ、何を考え、どう活動していくのか。漁師という家業、浜の伝統行事など、土地の暮らしや歴史を見つめ直しつつ、災害が生んだ矛盾や困難を描くことで、被災者/非被災者の立場を超えた「私たちの復興」を問いかけていく。

 

 

■ 映画の概要

タイトル:新地町の漁師たち

製作年月:2016年1月/時間:92分/規格:HD、16:9、カラー、Blu-ray Disc

製作:山田 徹(自主製作作品)

スタッフ:監督/撮影/編集 山田 徹、撮影協力 松村敏行

音楽:3日満月(権頭真由&佐藤公哉 from “表現(Hyogen)”)

協力:相馬双葉漁業協同組合、相馬双葉漁業協同組合新地地区、株式会社 自由工房、株式会社いちまるよん


音楽:3日満月
権頭真由(アコーディオン/ピアノ/ヴォーカル)、佐藤公哉(ストリングス/パーカッション/ヴォーカル)によるデュオ。2011年9月、プラハの満月を長引かせて結成。ホールやカフェでのライブ、映像やダンス公演の劇伴などで活躍中。子どもたちと創る音楽サーカス「音のてらこや」を主宰する。4つの身体、4つの楽器による音楽の箱舟「表現(Hyogen)」のメンバー。

HP:http://sound.jp/hyogen/